ダイエットや筋力アップ、あるいは健康診断の結果を受けて、「自分に適した1日の摂取カロリーはどれくらいだろう?」と考える成人男性は少なくありません。
目標を達成するためには、自身の体とライフスタイルに合ったカロリー量を把握することが不可欠です。
しかし、ただ数値を計算するだけでは不十分で、食事の質や選び方にも成功の鍵が隠されています。
そこで今回の記事では、成人男性が自身の目標を達成するための、摂取カロリーの計算方法と食事管理の重要なポイントを解説していきます。
あなたの消費カロリーを知る2つのステップ
まず、あなた自身の体が1日にどれくらいのカロリーを消費しているかを知る必要があります。
これは簡単な2つのステップで計算できます。
ステップ1:基礎代謝量(BMR)を知る
基礎代謝量(BMR)とは、心臓を動かしたり呼吸をしたりと、生命を維持するために何もしなくても消費される最低限のエネルギーのことです。
これは性別、年齢、身長、体重から算出されますが、複雑な計算式があるため、Web上にある「BMR 自動計算ツール」などを使うと簡単に知ることができます。
ステップ2:活動量を加味して1日の消費カロリーを出す
次に、算出した基礎代謝量に、あなたの1日の活動レベルに応じた「活動係数」を掛け合わせます。
- 活動レベルが低い(デスクワーク中心の生活): BMR × 1.2
- 活動レベルが普通(立ち仕事・軽く運動する): BMR × 1.55
- 活動レベルが高い(肉体労働・運動量が多め): BMR × 1.725
こうして計算された数値(基礎代謝量 × 活動係数)が、あなたが1日に消費するカロリーの総量です。
この数値が、現在の体重を維持するために必要な摂取カロリーの目安となります。
【参考】年齢・活動レベル別の摂取カロリー目安
厚生労働省が公表している、標準的な体型の成人男性における1日の摂取カロリーの目安は以下の通りです。
ご自身で計算した数値が、一般的な基準と比べてどのくらいかを確認する際の参考にしてください。
年齢 | 活動レベル I (低い) | 活動レベル II (ふつう) | 活動レベル III (高い) |
18~29歳 | 2,300 kcal | 2,650 kcal | 3,050 kcal |
30~49歳 | 2,300 kcal | 2,700 kcal | 3,050 kcal |
50~64歳 | 2,200 kcal | 2,600 kcal | 2,950 kcal |
65~74歳 | 2,050 kcal | 2,400 kcal | 2,750 kcal |
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
【目的別】1日の摂取カロリーの決め方
1日の総消費カロリーが分かれば、あとはあなたの目的に合わせて摂取カロリーを調整していくだけです。
ダイエット・減量したい場合
体重を減らすには、「摂取カロリー < 消費カロリー」の状態を作る必要があります。
1日の総消費カロリーから、マイナス300〜500kcalした数値を目標に設定しましょう。
健康診断でメタボ対策を指摘された方も、この範囲での調整が基本となります。
健康を維持したい場合
現在の体重や健康状態を維持したい場合は、「摂取カロリー ≒ 消費カロリー」を目指します。
ステップ1で計算した1日の総消費カロリーとほぼ同じカロリーを摂取することを心がけましょう。
筋肉を増やしたい場合
筋肉量を増やすには、トレーニングのエネルギーと筋肉の材料を体に供給するため、「摂取カロリー > 消費カロリー」の状態を作る必要があります。
1日の総消費カロリーに、プラス300〜500kcalした数値を目標に設定します。
カロリー管理を成功させる食事のポイント
目標カロリーを決めたら、次はそれを成功させるための大切なポイントを押さえておきましょう。
PFCバランスを意識する
同じカロリーでも、その中身が重要です。
特に成人男性の体づくりにおいては、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)を意識することが不可欠です。
筋肉を維持しながら痩せたい、あるいは筋肉を増やしたい場合は、特にタンパク質(Protein)を十分に確保することを心がけましょう。
コンビニや外食を上手に活用する
多忙な成人男性にとって、毎食自炊するのは難しいものです。
コンビニや外食を利用する際は、少しの工夫でカロリー管理が可能です。
例えば、「サラダチキンとおにぎりを選ぶ」「牛丼は並盛にして、サイドメニューでサラダを追加する」など、高タンパク・低脂質な組み合わせを意識するのがおすすめです。
極端なカロリー制限は避ける
早く結果を出したいからといって、基礎代謝量を下回るような極端なカロリー制限は禁物です。
体が飢餓状態だと判断し、筋肉を分解してエネルギーを作ろうとするため、かえって代謝が落ちて痩せにくい体になるなど、リバウンドの大きな原因となります。
カロリー計算は健康的な体づくりの第一歩
摂取カロリーを正しく理解し、管理することは、あなたの目指す体づくりを成功に導くための最も確実な方法です。
闇雲に食事を制限するのではなく、まずはあなた自身の体が必要とするエネルギー量を知ることから始めてみましょう。
計算によって導き出された数値を一つの「ものさし」として、健康的な食生活を実践すれば、きっと楽しく目標を達成できるでしょう。