「なんだか最近、疲れやすい」「階段を上ると息が切れる」といったお悩みはありませんか?
その不調、もしかしたら体内の鉄分が不足しているサインかもしれません。
特に女性は、月経や妊娠などで鉄分が不足しがちです。
しかし、ただ鉄分が多い食べ物をやみくもに食べても、効率よく体には吸収されません。
そこで今回の記事では、鉄分の性質から、吸収率を上げる食べ方のポイントまでを分かりやすく解説していきます。
鉄分の2つの種類と特徴
鉄分には、実は2つの種類があることをご存知でしょうか。
それぞれの特徴を理解することが、効率的な摂取への第一歩です。
吸収率が高い「ヘム鉄」
ヘム鉄は、主に動物性の食品に含まれる鉄分です。
レバーや赤身の肉、カツオやマグロといった魚介類に多く含まれています。
体内への吸収率が15〜25%と高く、食事から摂った分が効率よく利用されやすいのが最大の特徴です。
工夫が必要な「非ヘム鉄」
非ヘム鉄は、主に植物性の食品に含まれる鉄分です。
ほうれん草や小松菜といった野菜、ひじきなどの海藻類、そして大豆製品に多く含まれています。
吸収率は2〜5%とヘム鉄に比べて低いですが、食べ合わせを工夫することで吸収率を大きく高めることができます。
鉄分の吸収率を上げるポイント
とくに吸収率の低い「非ヘム鉄」を摂る際は、食べ合わせが非常に重要になります。
ぜひ覚えておきたい2つのポイントを紹介します。
ビタミンCと一緒に摂る
鉄分の吸収率を上げるために効果的な方法がビタミンCとの組み合わせです。
ビタミンCは、吸収されにくい非ヘム鉄を、体内に吸収されやすい形に変えてくれる働きがあります。
ほうれん草のおひたしにレモン汁をかける、肉や魚の付け合わせにパプリカやブロッコリーを選ぶといった工夫がおすすめです。
吸収を妨げる飲み物を避ける
一方で、鉄分の吸収を妨げてしまう成分もあります。
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれる「タンニン」がその代表例です。
鉄分が豊富な食事の直前・直後にこれらの飲み物を飲むと、鉄の吸収が阻害されてしまうため、時間をずらして飲むようにしましょう。
鉄分を多く含む代表的な食べ物
毎日の食事に取り入れやすい、鉄分が豊富な代表的な食べ物を紹介します。
「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」をバランスよく摂ることを意識しましょう。
ヘム鉄が豊富な食べ物
- レバー(豚・鶏)
- 赤身の肉(牛・豚)
- あさり・しじみ
ヘム鉄は、なんといっても体内への吸収率の高さが魅力です。
貧血の症状が既に出ている場合や、手早く鉄分を補いたい時には、これらの動物性食品を意識して食事に取り入れるのがおすすめです。
非ヘム鉄が豊富な食べ物
- 小松菜・ほうれん草
- ひじき
- 大豆製品(納豆・豆腐など)
非ヘム鉄は、野菜や海藻類など日常的に食べやすい食材に含まれているのが利点です。
単体での吸収率は低いですが、前述したビタミンCなどと組み合わせる「食べ合わせの工夫」次第で、非常に優れた鉄分の供給源となります。
鉄分は「種類」と「食べ合わせ」が重要
鉄分不足を解消するためには、ただ鉄分が多い食材を食べるだけではなく、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があることを理解することが大切です。
吸収率の高いヘム鉄を意識しつつ、非ヘム鉄を摂る際はビタミンCと組み合わせる、この「食べ合わせ」の知識が、効率的な鉄分補給の鍵となります。
ただし、食事の工夫を続けても貧血の症状が改善しない場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。