こむら返りとは、ふくらはぎを中心とした筋肉が急に収縮し、強い痛みをともなう症状のこと。
妊娠中は体の変化が大きく、妊娠前より足がつりやすくなります。
夜中に痛みで目が覚め、不安を感じた妊婦さんも少なくないのではないでしょうか。
ここでは、妊娠中に足がつる理由と、無理なく取り入れやすい予防方法をお伝えします。
妊娠中に起こる「こむら返り」とは
まずは、妊娠中のこむら返りがどのような症状なのかを整理します。
こむら返りとはどんな症状?
こむら返りとは、ふくらはぎを中心とした筋肉が突然強く収縮し、強い痛みをともなう状態を指します。
一般的には「足がつる」と呼ばれることが多く、数十秒から数分ほど動けなくなるケースも。
痛みがおさまった後も、しばらく違和感や軽い痛みが残ることがあります。
妊娠中は、夜中や明け方など体がリラックスしているタイミングで起こりやすい傾向です。
眠りが浅くなりやすい時期でもあるため、突然の痛みで目が覚めてしまう妊婦も少なくありません。
妊娠中はなぜ足がつりやすいのか?
妊娠中は、妊娠前と比べて体の状態が大きく変わります。
お腹が大きくなることで下半身の血流が滞りやすくなり、足の筋肉に負担がかかりやすくなります。
また、体重増加や姿勢の変化によって、ふくらはぎの筋肉が緊張しやすくなる点も影響します。
さらに、赤ちゃんの成長を優先して栄養が使われるため、ミネラルや水分が不足しやすくなることも一因。
こうした変化が重なることで、妊娠中はこむら返りが起こりやすい状態になると考えられます。
妊婦のこむら返り|4つの主な原因

妊娠中に起こるこむら返りは、ひとつの原因だけで起こるわけではありません。
体の変化や生活環境が重なり合うことで、足がつりやすい状態になります。
血行不良による影響
妊娠中は、お腹が大きくなるにつれて下半身の血管が圧迫されることで血流が滞り、足先まで十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
また、妊娠後期にかけて運動量が減ると、筋肉を動かす機会も少なくなります。
筋肉のポンプ作用が弱まり、血行不良が起こりやすくなる点も見逃せません。
冷えによって血管が収縮すると、さらに足がつりやすい状態になります。
ミネラル・栄養不足
妊娠中は、赤ちゃんの成長を優先して栄養が使われるため、母体の栄養が不足しやすくなります。
中でも、カルシウムやマグネシウムといったミネラルは、筋肉の収縮と弛緩を調整する働きがあるため、これらが不足すると、筋肉が過剰に緊張しやすくなり、こむら返りが起こりやすくなります。
あわせて、ビタミンB1不足による筋肉疲労の蓄積も、足がつる原因のひとつと考えられています。
骨盤のゆがみと姿勢の変化
妊娠すると、お腹をかばう姿勢になりやすく、反り腰や重心の変化が起こりがち。
こうした姿勢の変化が続くことで、骨盤がゆがみ、下半身の筋肉に偏った負担がかかります。
また、骨盤まわりのバランスが崩れると、太ももやふくらはぎの筋肉も緊張しやすくなり、その結果、特定の筋肉に負荷が集中し、こむら返りが起こりやすい状態につながります。
体重増加による足への負担
妊娠中は、体重増加に加え、赤ちゃんや羊水の重みが常に足にかかるうえ、妊娠前より運動量が減ることで、足の筋力は低下しやすくなります。
筋力が落ちた状態で体を支え続けると、日常の動作だけでも足に大きな負担がかかります。
この負担が積み重なることで、筋肉が疲労しやすくなり、こむら返りを引き起こす原因になります。
妊娠中にこむら返りが起こりやすい時期
妊娠中のこむら返りは、時期によって起こりやすさに差があります。
ここでは、妊娠の経過にあわせて見られやすい傾向を整理します。
妊娠後期に増えやすい理由
こむら返りは、妊娠後期に入ってから増えるケースが多く見られます。
目安としては、妊娠7〜8か月頃から、夜中や明け方に足がつるようになったと感じる妊婦が少なくありません。
この時期はお腹が大きくなり、下半身の血流が滞りやすくなります。
体重増加によって足への負担が増え、筋肉の疲労がたまりやすくなる点も影響。
寝返りが打ちにくくなり、同じ姿勢が続くことで血行不良が起こりやすくなることも理由のひとつです。
妊娠初期・中期でも起こることはある?
こむら返りは妊娠後期に多いものの、妊娠初期や中期にまったく起こらないわけではありません。
つわりの影響で食事量や水分摂取量が減ると、ミネラル不足や軽い脱水状態になりやすくなります。
また、妊娠初期からホルモンバランスは大きく変化している影響で、筋肉や神経の働きが不安定になり、足がつりやすくなる人も。
時期に関わらず、足がつりやすいと感じた場合は、体からのサインとして受け止めたいところです。
こむら返りが起きた時の即時対処法

妊娠中に突然こむら返りが起こると、強い痛みに驚いてしまうものです。
あらかじめ対処法を知っておくことで、いざという時も落ち着いて対応しやすくなります。
つま先をゆっくり体の方へ引く
足がつった直後は、無理に立ち上がったり、勢いよく伸ばしたりしないことが大切です。
痛みが出ている足のつま先を、ゆっくりと体の方へ引くようにします。
急に伸ばそうとすると筋肉を傷めることがあるため、呼吸を整えながら少しずつ行うのがポイントです。
お腹が大きくて難しい場合は、足首を軽く動かすだけでも構いません。
ふくらはぎを優しくマッサージする
痛みが少し落ち着いてきたら、ふくらはぎを手のひらで包むようにして優しくさすります。
強く揉んだり押したりせず、温めるイメージで行うと安心です。
家族がそばにいる場合は、手伝ってもらうのもよいでしょう。
痛む部分を温めて血行を促す
冷えは筋肉の緊張を強めるため、可能であれば痛む部分を温めます。
レッグウォーマーやタオルを使い、心地よいと感じる程度に温めるのが目安です。
夜中に起きた場合でも、足元を冷やさない工夫をすると再発防止につながります。
痛みが引いた後は水分補給を意識する
こむら返りが落ち着いた後は、水分補給を行います。
水分不足は筋肉の動きを鈍くし、再び足がつる原因になることがあります。
一度にたくさん飲む必要はなく、少量ずつゆっくり補給すると体への負担も抑えられます。
妊婦のこむら返りを防ぐ簡単な予防10選

妊娠中のこむら返りは、日常生活の工夫で予防につなげられることもあります。
ここでは、無理なく取り入れやすい方法を10個紹介します。
マグネシウムを意識して摂る
マグネシウムは、筋肉の過剰な収縮を抑える働きがあります。
豆類や海藻類、ナッツ類などを、普段の食事に少しずつ取り入れるとよいでしょう。
カルシウム不足を防ぐ
カルシウムは筋肉や神経の働きを支える重要な栄養素です。
乳製品や小魚、豆腐など、取り入れやすい食品を活用するのがポイントです。
カリウムを含む食品を取り入れる
カリウムは体内の水分バランスを整える役割があります。
果物や野菜を適量取り入れ、偏りすぎないよう意識します。
食事で補いにくい場合はサプリを活用する
つわりや食事量の変化で栄養が偏りやすい場合もあります。
無理をせず、必要に応じてサプリを取り入れる考え方もあります。
使用前に医師へ相談すると安心です。
軽いストレッチを習慣にする
ふくらはぎや足首をやさしく動かすことで、血流改善が期待できます。
就寝前や日中のすき間時間に、痛みの出ない範囲で行うのが目安です。
体を冷やさない工夫をする
冷えは筋肉の緊張を高めます。
靴下やレッグウォーマーを使い、足元を冷やさないよう心がけたいところです。
こまめな水分補給を意識する
妊娠中は水分不足になりやすい時期です。
一度にたくさん飲むのではなく、こまめに補給することが大切です。
足を少し高くして休む
就寝時や横になる際に、クッションなどで足を少し高くすると血流が促されます。
むくみ対策としても取り入れやすい方法です。
寝姿勢を見直す
同じ姿勢が続くと血行が滞りやすくなります。
横向きで休むなど、足に負担がかかりにくい姿勢を意識するとよいでしょう。
無理をしすぎない生活を心がける
疲労の蓄積は、こむら返りを起こしやすくします。
家事や仕事を詰め込みすぎず、こまめに休む意識も大切です。
まとめ
妊娠中のこむら返りは、ふくらはぎの筋肉が急に収縮することで起こる、つらい症状のひとつです。
妊娠中は体重増加や血行の変化、栄養バランスの影響を受けやすく、妊娠前より足がつりやすくなります。
主な原因としては、血行不良、ミネラル不足、姿勢や骨盤の変化、足への負担の増加が挙げられます。
これらは妊娠中の体の変化によるものが多く、決して珍しいことではありません。
日常生活の中で、栄養や水分の摂り方を意識する、体を冷やさない、無理をしすぎないといった工夫を重ねることで、予防につなげられるケースもあります。
妊娠期間は心身ともに負担がかかりやすい時期です。
足がつるつらさを我慢せず、できることから少しずつ整えながら、自分の体も大切にして過ごしていきたいところです。